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箱のかたち。

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『はじめての方へ。一般的な箱のかたち(形状)をご紹介します。』

ここでは一般的な箱のかたち(形状)をご紹介します。
箱の形状もいろいろあって、一度に覚えられるものではありません。いろんなパッケージ制作会社がありますが、どの会社でも基本形状として取り扱っている「箱のかたち」を集めてみました。
紙器の箱は大まかに分けると ❶「組箱(くみばこ)」「貼り加工のある箱」(最初から、あるいは、ある程度のところから完成まで箱を組み立てるタイプ)と❷「貼箱」、「紙管」と呼ばれる、完成品の状態で納品される箱の2タイプがあるといってよいでしょう。
これから紹介する「箱の形状」は❶のタイプの基本形状となります。

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1. A式(みかん箱)

※写真は小さなA式箱をEフルートで撮影しています。

引っ越しや製品の運搬などに一般的に多く使われているタイプの箱の形状です。A式、みかん箱などと呼ばれることもあります。ダンボールの箱というとみなさん、この箱を思い浮かべるのではないでしょうか? 製造工程で、材料の無駄がなく製造コストを低く抑えることが可能です。A式箱は梱包の際に底面と天面のフラップを曲げて、外フラップを突合せてテープなどで封緘します。

2. B式(キャラメル・サック)箱

※写真はコートボール310gで撮影しています。

フタや底面が差込み式になっている箱を総称してB式と呼びます。キャラメル箱とは、その名の通り、もともとキャラメルを入れる箱に使われていたことに由来し、その形状を『キャラメル箱』と呼ぶようになりました。このキャラメル箱は『サック箱』とも呼ばれ、両方向のフタが同じ面についているものを『正サック』と呼び、フタの付いている面が異なるものを 『逆サック』と呼びます。(上部左側の展開図は『正サック』です。)
キャラメル箱は紙器の中で最も一般的なタイプで大量生産に適した低コストな紙箱です。納品時はサイドののりしろ部分が接着され、折り畳んであるのでかさばらず、在庫管理のしやすいのも特徴です。長年親しまれている定番の箱です。内容物は軽いものが適しています。

3. B式底ワンタッチ箱

※写真はコートボール310gで撮影しています。

天面のフタは差し込み式。折りたたまれている箱を開けると自動的に底が出来上がるように、あらかじめ底部分の2箇所をのりで貼っています。「ワンタッチ」でスピーディに組み立てられます。 アメリカンロックよりも、底が丈夫です。底を貼るためコストはかかりますが、作業効率が良いので出荷数量が多い際にはおすすめです。梱包作業の時間を短縮することができるのが一番のメリットです。納品時、底が貼られている状態で折りたたまれているのでA式箱などに比べると少し厚みが生じます。

4. B式底組(アメリカンロック)箱

※写真はコートボール310gで撮影しています。

やはり天面のフタは差し込み式です。底が組立式になっていて、手で簡単に組立てられる形状です。のり付けはA式(みかん箱)と同じサイドに1箇所あります。底ワンタッチ式よりも貼りの工程が少ないため低コストで製作できる上に、底面のテープ止めが不要のため、梱包の手間を省き作業時間を短縮できます。 ワンタッチ箱のように底部を貼っていないため、あまり重量のある内容物には向いていません。図面は背の高い箱の展開図ですが、高さが低く、長さと巾を多くとった比率の箱に底パットを併用することにより強度が増します。天面のフタを開け閉めする構造なのでギフト用の箱にも十分対応できます。

5. N式(腕組み式)箱

※写真はコートボール310gで撮影しています。

N式箱とはフタと身箱が一体化したワンピースタイプの箱です。トムソン箱(展開図のように木型で紙やダンボールを抜いた状態のままのものを組み立てる・組箱)の一つです。のり付けがないのでコストも抑えられ見栄えもよい箱です。比較的組み立ても簡単なところも人気の理由です。
このN式箱は、箱の形状を安定させるために左右の側面同士を、背面の内側で腕組みをして連結する箇所があるタイプです。それにより、形状の安定とともにフタを開けたまま自立できるので製品のセット梱包が楽になります。
また、腕組みタイプのN式箱は高さ(深さ)が低い箱も設計が可能ため、ギフト向けから配送箱まで幅の広い用途が可能なところがメリットです。デメリットは高さ(深さ)を多く必要とする内容物には構造的に向いていません。フタの形状をB式箱のような差し込み式にする以外にもロック式の差し込みにしたり、身箱に額縁を付けて高級感を出したりといろいろな応用も利く箱です。
この箱を腕組みではなく、シェイクハンド型と呼ぶところもあるそうです。

6. N式(脇差式)箱

※写真はEフルートで撮影しています。

上記のN式箱(腕組みタイプ)と同様、フタと身箱が一体化したワンピースの箱です。フタの差し込みを両サイドの側面に差し込んでフタを閉めるタイプ(脇差し)です。
身箱の長手側から出ている左右のフラップを額縁付の側面内に差し込んで固定させます。フタを閉めた外見はシンプルな見た目なので、高級感のある箱に仕上がります。またフタの両サイドのフラップを身箱内側に差し込むタイプのものはフタの凹みが少なく強度にも優れています。 フタがしっかりとしているため密閉性にも優れた形状です。対象となる内容物は幅広く、ギフトやアパレル商品、フタが開きづらい構造からビン製品などにも対応できます。材質はフタフラップを額縁付の側面に差し込んでロックするため、通常厚みがあるダンボールを使用します。 また中身の仕切りやパットなどを併用することで使用する目的のジャンルにこだわらず幅広い分野で使用できる可能性をもった箱です。

7. スリーブ

※写真はコートボール310gで撮影しています。

スリーブとは「袖」の意味。衣服の袖のように両端が開いた筒状になっていて、身箱に被せてスライド式に中身を取り出すパッケージのことです。
中箱を引き出す動作は高級感を演出する目的にもなり、見た目もすっきりとした上品な印象を与えます。通常スリーブ単体では使用することはありませんので身箱との併用となります。いまではあまり見かけなくなったマッチ箱の作りと同じなので身箱とあわせて「マッチ箱」タイプという場合もあります。
身箱にはC式の箱を使用しますが、ギミックのある身箱と組み合わせたり、直接商品に被せたりアイデア次第で美しく楽しいパッケージができそうです。構造も簡単なので、材質や印刷・加工も幅広い表現から選べるところもメリットではないでしょうか…。
スリーブと身箱、直接かぶせる缶ケースなどにしっくりくるような嵌合性を出すのは意外と難しいので、しっかりとサンプルでチェックしたほうがよいでしょう。

8. C式(かぶせ式)箱・額縁なし

※写真はコートボール310gで撮影しています。

フタと身という2つのトレー状のものにわかれていて、お互いをかぶせあわせて箱にするタイプのものをC式箱(かぶせ箱)といいます。お弁当の箱にも似ていることから「お弁当箱タイプ」ともいいます。
高級感のあるギフトなどのパッケージに多く使われる箱です。この額縁がないタイプのものはフタと身箱で使用することもありますが、さらに高級感のある額縁付のC式の箱を身箱にして、この額縁のないタイプをフタにする場合の組み合わせもよく使用されます。 組箱タイプと貼りのあるタイプの2種類があり、組箱タイプは折り返しが多いため組み立てるには馴れが必要となります。貼り工賃のコストは掛かりますが、のり付けを設けることにより早く箱に組めるように改良することも可能です。

9. C式(かぶせ式)箱・額縁あり

※写真はコートボール310gで撮影しています。

こちらは額縁のあるC式箱です。おもにギフト箱やお菓子の箱の身箱として使われることが多いタイプです。その際は内容物にあわせた仕切りと組み合わせて使用します。こちらも組み立てるタイプと貼り加工があるタイプの2タイプあります。
組箱の場合、上記の額縁なしタイプに比べてさらに難易度は高くなり、組み立てに時間も掛かります。重厚感があるパッケージにするため、フタにも額縁付のC式を使用する場合もあります。貼り加工賃は掛かりますが、組み立て時間を圧倒的に少なくするため考案されたのが、弊社の「Ecopaシリーズ」です。▶︎Ecopaのページはこちら。
側面4面とも内側に折り返すタイプのC式箱はダブルウォールタイプ(2枚の壁)ともいいます。

10. ピロー

※写真はコートボール310gで撮影しています。

形が枕(ピロー)の形に似ていることからこの名前で呼ばれています。使用する紙はコートボールやカード紙など薄めの板紙を使用した方がピロー型にしやすいので、材質にダンボールを選ぶときはGフルート(約0.9mm)のような薄い素材がオススメです。
なみなみ(フルート)がオモテ面に来るように片面ダンボールを使用すると味のあるパッケージになります。リボンやシールを付けたり、メッセージカードと組み合わせてみたり、部分的に中身が見えてるように窓穴を開けたりするとより一層楽しいパッケージに仕上げることができるでしょう…。
小物類のプレゼントギフトやラッピングにも、小さなお菓子などのパッケージにもオススメです。...。

11. トレー

※写真はGフルートで撮影しています。

四隅をのり付けして仕上げるテーパートレーはスーパーマーケットのフルーツ売り場やテイクアウトの紙製の食品容器としてよく見かけます。
プラスチック製の容器の代替品として、環境に優しいエコなアイテムとして大注目されています。上の図面のタイプにフタを付けることも可能です。四隅ののり付けフラップは内側に貼るタイプと外側に貼るタイプの2種類あります。
組み立てる必要がないので作業効率もよい製品です。特殊なものとして四隅の貼りの構造を変えることにより液漏れ対策に対応したウォータータイトのトレーにもなります。

12. キャリー型

※写真はEフルートで撮影しています。
写真のタイプはキャリーとして使用しなくてもフタを開ける指掛けが付いた四角形の箱になるタイプです。

箱の上部に手提げが付いた持ち運び(キャリー)に便利な箱です。ショートケーキなどを買うと入れてくれる、ケーキ屋さんの箱として見たことがあるかもしれません。
洋菓子やクッキー、ご当地のお土産のパッケージなどに重宝する形状です。材質は白色板紙や薄めのダンボール(Gフルート・Eフルート)が多く使用されています。お酒やドリンクなど内容物が重い場合はダンボールを使用します。底面はワンタッチ底、アメリカンロック、平面の構造のものもあります。

※展開図に記載の長さ(L)、巾(W)、高さ(H)、深さ(D)は箱やフタの向き、位置が変わることにより、呼称が変わります。取り扱う会社により多少違う場合もありますのでご了承ください。

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