1.ITC Fenice
アイティーシー・フェニーチェ
ボドニやディドなどのモダン・ローマン体を現代風にアレンジ。
ITC Feniceは、1960年にアルド・ノヴァレーゼによってデザインされた欧文フォントです。 全体的に細身で、シャープな印象を与えます。また、同系色の太さの変化が少ないため、文字列がまとまりやすく、見やすいのが特徴。ラルフローレンのロゴは、1967年にデザイナーのアラン・フレッチャーによってデザインされました。ITC Feniceは、1960年にデザインされた書体ですが、ラルフローレンのロゴのデザインには、ITC Feniceの初期のバージョンが使用されています。
※上の画像はFenice Pro ITC Regularを打ち出したもので実際のLOGOではありません。
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2.Nicholas Cochin
ニコラス・コシャン
エレガントな印象を持たせるモダン・ローマン体。
Nicolas Cochinは1923年にジョルジュ・ペイノーによってデザインされた、セリフ書体です。17世紀フランスの活字職人ニコラ・コッシン(Nicolas Cochin)の仕事を称えるものとしてデザインされました。 クラシックな雰囲気を持ちながらも、現代的な用途にも適したフォントです。雑誌や新聞、広告などのタイトルや見出し、ロゴやパッケージデザインなどにもよく使われます。 具体的な特徴としては、大胆なセリフと細身のストローク。明確な輪郭とコントラスト。エレガントで洗練された雰囲気などを持ったフォント。 高級ファッションブランド、DiorのロゴにはオリジナルのNicolas Cochinをベースにした、クラシックでエレガントな雰囲気の文字が使用されています。最近の大文字のロゴはNicolas Cochinより線が整った印象とRの形が違います。
※上の画像はLTC Nicholas Cochin Proを打ち出したもので実際のLOGOではありません。
■Adobe Fonts
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3.Baskerville
バスカヴィル
分類はトランジショナル。オールドとローマンの中間的フォント。
1750年代にイギリスのジョン・バスカヴィルによって作られたデザインを元に作成された活字群。
セリフはオールド・ローマンほど太くなく、モダン・ローマンほど細くありません。線は曲線と直線の両方を用いているため、柔らかい印象とシャープでモダンな印象を併せ持っています。可読性に優れ、さまざまなデザインに用いることができます。新聞や雑誌、書籍、ロゴ、ポスターなど、さまざまな用途に用いられています。
また、ティファニーのロゴは、このバスカヴィルフォントをベースに文字のサイズやウェイトを調整し、独自のデザインに仕上げられています。ブランドイメージである「高級感」「エレガントさ」を演出しています。
※上の画像はBaskerville Regularを打ち出したもので実際のLOGOではありません。
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4.Clarendon
クラレンドン
1845年に生まれた、スラブセリフ体の代表格。
スラブセリフ体は別名Egyptian(エジプシャン)とも呼ばれています。そのスラブ(Slab)とは、平たい木や石の板という意味を表す言葉。その名のとおり、セリフが長方形で厚みがあるのが特徴的です。Clarendonはスラブセリフ体の代表格で多くのメーカーから模刻・発売されてきました。見本の書体はドイツのフォントメーカーURW版のクラレンドンです。 セリフ体を力強く肉付けしたようなデザインで、その存在感から新聞やポスターなど見出しのデザインによく使われることが多く、視認性が良いこともあってかソニーやタミヤ、ROLEXの旧ロゴにもClarendon風の書体が使われています。カレンダーのフォントに使っても良いかもしれません。1845年に生まれたこともあり、ビンテージ感もあるフォントです。
※上の画像はClarendon URW Regularを打ち出したもので実際のLOGOではありません。
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フォントについて|編集後記❺
ページの冒頭でも少し触れましたが、アパレルブランドを初めテックブランドもロゴのリニューアル後、Serif体からSans-serif体に移行するケースが増えていると思います。マーケティングの大きな流れからすると時代が求めている環境の変化に適応して行くことも重要でありながらも、「どうなのかな...?」と考えさせられます。確かにSerif体だったロゴとSans-serif体のロゴを比較すると余計なものが削ぎ取られた印象があるので、一目瞭然でモダンさや変化を表現できています。ただ路線が皆似ていて個性を感じられないのも事実...。
次回はロゴの変化の流れや、あえてSerif体に変えたブランドなどを特集しても面白いのではないかと思いました。
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